2級配当漢字にまつわるコラムです。成り立ちや意味を知ることで、漢字の理解を深め、応用の利く漢字力を養えます。
月下氷人(げっかひょうじん)とは月下老と氷上人の二つの物語からきている言葉です。月下老も氷上人も縁結びの神様とされています。
中国の唐の時代に韋個(いこ)という青年がいました。青い月明かりに照らされた晩のことです。韋個は旅先で月明かりの下調べ物をしている老人と出会います。老人は自分の持っている赤い紐で男女を結ぶと必ず結婚するといいます。韋個は自分の将来の妻を尋ねると、老人は近くの八百屋の赤ん坊だと言いました。十数年後に出世した韋個は有力者の娘と結婚します。老人の話は嘘だったのかと思って、妻に生い立ちを尋ねると、有力者の養女であり、もともとは老人の言っていた八百屋の赤ん坊だったとわかるのです。この故事を「月下老人」といいます。
中国の晋の時代に令孤策(れいこさく)という男が夢をみました。その夢は氷の上に立っていると、氷の下に人がいて、その人と話をするというものでした。不思議に思った令孤策は占い師に相談します。すると占い師は氷の上は陽(男)、氷の下は陰(女)であり、陽と陰が語り合ったということはあなたは結婚の仲立ちをすることになるだろうと言われます。しばらくすると、土地の有力者から仲人の依頼があり、令孤策はそのカップルを結婚させることになります。この故事の令孤策を「氷人」といいます。
上の二つの故事が合わさって仲人のことを月下氷人というようになったそうです。
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